日本のお茶産地マップ|和紅茶・発酵茶・健康茶で巡る全国リスト

朝もやのかかる山あいの段々の茶畑と、谷にある集落

日本には、和紅茶・発酵茶・健康茶という個性豊かな「お茶の文化」が各地に根付いています。このページでは、産地別・種類別に日本のお茶を一覧でまとめました。気になるお茶をクリックして、詳しい記事へどうぞ。

ただ、一覧の前に少しだけ整理させてください。「日本のお茶」とひとくくりに言っても、作り方がまるで違うものが同じ棚に並んでいます。そこが分かると、この一覧はぐっと使いやすくなります。


目次

日本のお茶は、大きく三つに分かれる

お茶の分類は、産地でも色でもなく、「発酵させたかどうか」で決まります。ここでいう発酵とは、茶葉の中の酵素がはたらいて葉が酸化することです。

分類 作り方 代表
不発酵茶 摘んですぐ熱を加え、酵素の働きを止める 煎茶・玉露・番茶・ほうじ茶(緑茶の仲間)
発酵茶 葉の酵素で最後まで酸化させる 紅茶(国産のものが和紅茶
後発酵茶 酵素ではなく微生物の力で発酵させる 阿波晩茶・碁石茶・バタバタ茶

同じ茶畑から摘んだ葉でも、この分かれ道のどこを通るかで、緑茶にも紅茶にもなります。品種の違いはもちろんありますが、まず効いているのは製法です

「健康茶」だけは、少し立場が違います

ここは正直に書いておきます。当サイトが「健康茶」と呼んでいるもの——どくだみ茶、よもぎ茶、はとむぎ茶、黒豆茶、ごぼう茶、杜仲茶など——の多くは、チャノキ(茶の木)の葉ではありません。野草や豆、根、穀物を煎じたものです。

植物としては別物なのに、同じ「茶」という字で呼ばれ、同じ棚に並んでいます。だから、緑茶や紅茶で言えることが、そのまま健康茶にも当てはまるとはかぎりません。カフェインの有無も、成分の根拠の厚みも、まったく違います。当サイトが健康茶の記事で「期待できること」と「期待しすぎないこと」をいちいち分けて書いているのは、この違いがあるからです。

逆に言えば、ノンカフェインのお茶を探している人にとっては、この違いこそが手がかりになります。

日本の健康茶15種類まとめ|種類・効能・カフェインの有無を一覧で解説


なぜ、その土地でお茶が作られてきたのか

茶の産地の地図を見ると、太平洋側の南寄りに偏っているのが分かります。これは偶然ではありません。チャノキが育つには、いくつか条件があります。

  • 冬に凍らないこと。チャノキは常緑樹で、寒さが厳しすぎる土地では葉が傷みます
  • 雨が多いこと。葉を摘み取り続ける作物なので、水がいります
  • それでいて、水はけがよいこと。根が水に浸かり続けるのを嫌います

「雨は多いのに水はけがよい」——この一見矛盾した条件を同時に満たすのが、川沿いの台地や、山あいの傾斜地です。日本の茶産地に坂の多い土地が目立つのは、そのためです。

さらに、朝もやの立つ土地は葉がやわらかく育つとされ、昔から良質な茶の産地として名前が挙がってきました。茶畑の写真に、なぜか霧のかかった山が多いのは、そういう理由があります。


後発酵茶が、四国と北陸に点々と残っている

この一覧の中でいちばん変わっているのが、微生物で発酵させる後発酵茶です。日本ではごく限られた土地にしか残っていません。

お茶 特徴
徳島県 阿波晩茶(阿波番茶) 乳酸発酵。木桶に漬け込んで作る
高知県 碁石茶 二段階の発酵。碁石のような形に切って干す
富山県 黒茶(バタバタ茶) 茶筅で泡立てて飲む習慣が残る
愛媛県 石鎚黒茶 生産者がごく少数

なぜこんなに散らばって、しかも少ないのか。ひとつ言えるのは、これらが工場の技術ではなく、家庭や集落の手仕事として受け継がれてきたということです。桶に漬ける、干す、寝かせる。土地ごとに手順が違い、外へ広がるより、その土地の中で続いてきました。

だから後発酵茶は、味の好き嫌いがはっきり分かれます。酸っぱい、と感じる人もいます。それは失敗ではなく、乳酸発酵しているのだから当然のことです。当サイトが阿波晩茶の記事で「まずいと感じる可能性はあります」と先に書いているのは、そのためです。

阿波晩茶とは|徳島の乳酸発酵茶を正直に解説する完全ガイド
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同じ名前でも、土地が変わると別のお茶になる

産地を巡っていて、いちばん戸惑うのがこれです。「番茶」という言葉は、土地によって指すものが違います

関東で番茶といえば、たいてい緑茶の一種です。ところが京都の「京番茶」は、大きな葉を強く焙じた、煙の香りがするお茶。そして徳島の「阿波番茶」にいたっては、そもそも後発酵茶で、まったく別のものです。

同じ字を見て同じものを想像すると、必ずすれ違います。産地の一覧を眺めるときは、名前ではなく作り方を見ると間違えません。

ほうじ茶と番茶の違い|「別物」ではありません。重なる関係と地域差を正直に


🍵 和紅茶|日本産の紅茶、産地で選ぶ

和紅茶とは、国産の茶葉を使って作られた紅茶のことです。外国産に比べてタンニンが少なく、すっきりとした味わいが特徴です。

産地 代表銘茶 特徴 記事
静岡 静岡和紅茶 国内最大の茶産地。ふくよかな香りです。 静岡産和紅茶おすすめ5選
全国 和紅茶全般 選び方・産地・ブランドを比較します。 和紅茶おすすめまとめ
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産地の名前が分かっても、「じゃあ、どこで買えるのか」が分からないと、旅は始まりません。ここでは和紅茶を自分の畑で育てて、自分で売っている茶園を、北から順に30か所並べます。

この一覧の作り方
全国の茶園を1軒ずつ開いて、「和紅茶を扱っているか」「茶葉を自分で栽培しているか」「どこにあるか」の3つを確かめたものだけを載せています。仕入れた茶葉を売っているお店、和紅茶を扱っていない茶園は外しました。
調べた日:2026年8月20日/お店の移転・閉店・取扱終了はあり得ますので、リンク先で最新をご確認ください。

東日本

冨士美園|新潟県村上市
茶の栽培の北限にあたる村上で、明治元年から続く茶園。「雪国紅茶」は、明治期に村上で作られて途絶えた紅茶を、在来種で復活させたものと紹介されています。

吉田茶園|茨城県古河市(さしま茶)
創業1839年。茶園ツアーも受け付けています。

長野園 TEAISM|茨城県(さしま茶)
創業75年以上の茶園が営む和紅茶専門ブランド。国産紅茶グランプリ金賞の受賞歴があります。

清水園製茶工場|埼玉県入間市(狭山茶)
栽培から製茶・販売まで手がける茶農家。和紅茶は「埼玉夢紅茶」の名前で出しています。

たかなし茶園|神奈川県秦野市
70年続く茶園の「丹沢紅茶」。国産紅茶グランプリ2025で2部門の金賞。

中部・東海

丸子紅茶|静岡県静岡市駿河区丸子
日本の紅茶発祥の地とされる丸子で、村松二六さんが作る紅茶。紅富貴・紅ひかり・本山があります。

マルヒ製茶|静岡県磐田市
天竜川ぞいの磐田原台地。香駿・さやまかおりが日本茶AWARDや国産紅茶グランプリで評価されたと紹介されています。

山香荘茶園|静岡県榛原郡川根本町
自家栽培・自家製茶の川根茶農家。「手づくり川根紅茶」があります。茶摘み体験と工場見学も受け付けています。

川根たっちゃん農園|静岡県榛原郡川根本町
同じ川根本町の山あい。和紅茶はティーバッグで少量から試せます。

OGURI TEA FARM(オグリ農園)|静岡県
1916年創業の茶農家。べにふうき紅茶、香る和紅茶などを扱っています。

みずたま農園製茶場|静岡県牧之原
牧之原の茶農家。「火ノ丸紅茶」。楽天のお店が実質の本店になっています。

市川大楽園|三重県亀山市
自分の畑で育てて、自分の工場で作って、自分で売る。べにふうき紅茶があります。

関西

中村農園|滋賀県甲賀市土山町
家族経営の茶園。年に三回、摘んで作っています。

中窪製茶園|京都府相楽郡南山城村
百年以上続く茶農家。「南山城紅茶べにふうき」ほか、年間50を超えるロットを作っていると書かれています。和紅茶の種類の多さでは屈指です。

和茶園|京都府相楽郡和束町
宇治茶の主産地・和束町の茶農家。「和こころ紅茶」。

田原ナチュラル・ファーム|奈良県奈良市(大和高原・田原の里)
農薬・化学肥料・除草剤を使わない大和茶の農園。和紅茶と、和紅茶チャイがあります。

中国・四国

西製茶所|島根県出雲
出雲で紅茶を作り続けている茶園。「出雲国の紅茶」。べにふうき、べにひかりがあります。

お茶の曲風園|徳島県三好市山城町(大歩危)
大歩危の渓谷の急斜面で、農薬を使わずに育てた茶葉から作る「大歩危和紅茶」。三代目が継いでいます。

にのらく茶園|愛媛県喜多郡内子町
べにふうき専門の有機茶園。2003年に内子町にべにふうきを植えたところから始まり、有機JAS認証を受けています。和紅茶は「妖精の火香」。

霧山茶園|高知県高岡郡日高村
20万平方メートルの自社茶園。和紅茶はテトラタイプのティーバッグもあります。

九州

うきはの山茶(新川製茶)|福岡県うきは市
耳納連山の山あいで、先代から受け継いだ有機栽培。「プレミアム有機和紅茶」があります。

お茶の千代乃園|福岡県八女市矢部村
標高400〜600メートルの山の中の有機茶園。和紅茶は「矢部紅茶」。

お茶の浅野園|福岡県八女市
八女茶の製造直売。和紅茶は茶葉50gとティーバッグがあります。

ゆげ製茶|福岡県八女市
減農薬で作る八女茶の生産者。和紅茶のカテゴリがあります。

副島園|佐賀県嬉野市
嬉野で百年を超えて四代続く茶農家。無農薬・減農薬で、25年前から紅茶を作ってきたと紹介されています。「香る紅茶」と春摘みの「First flush」。

お茶の嬉野園|佐賀県嬉野市
同じ嬉野の茶園。「嬉野和紅茶」はリーフ80gとティーバッグ18包。

天の製茶園|熊本県水俣市石飛
水俣川の源流、標高600メートルほどの石飛高原。肥料を入れない栽培でつくる「天の紅茶」。茶摘みやお茶づくりの体験も受け付けています。

宮崎茶房|宮崎県西臼杵郡五ヶ瀬町
釜炒り茶で知られる五ヶ瀬町の、標高600〜700メートルの有機茶園。農薬も化学肥料も使わない有機紅茶を出しています。

知覧農園|鹿児島県南九州市知覧
知覧茶の有機栽培に取り組む農園。紅茶のカテゴリがあります。

和香園/鹿児島堀口製茶|鹿児島県志布志市有明町
自社茶園120ヘクタール、系列を合わせて300ヘクタールという全国屈指の規模。和紅茶は「カクホリ 紅茶べにふうき」。

通販サイトで探すときの、ひとつの目安

同じ「和紅茶」でも、どこで買うかで手に入るものが変わります。調べていて、はっきり差が出た点がありました。

楽天には、茶園そのものが出ています。上に挙げた茶園のうち、楽天のお店が実質の本店になっているところもありますし、宮崎茶房や丸子紅茶の商品も楽天で買えます。ただし茶園の公式店と、仕入れて売っているお店が混ざっているので、店名を見て選ぶ必要があります。

Amazonは、茶園の名前が消えている商品が中心です。「静岡県産 国産紅茶 紅ふうき使用」のように、産地と品種までは書いてあっても、どの茶園の何番茶なのかが分からない。上の30か所でAmazonに公式店を出しているところは、今回は見つけられませんでした。

「この土地の、この人が作ったお茶を飲んでみたい」という探し方をするなら、茶園の直販か、茶園自身が出している楽天のお店を見るのが近道だと思います。

※この一覧は2026年8月20日時点で各茶園のサイトを確認して作りました。味や香りの説明は、各茶園や紹介記事に書かれていた内容を要約したものです。
※和紅茶の選び方は和紅茶おすすめ|目的別の選び方、そもそもの違いは和紅茶とはにまとめています。

🫙 発酵茶|微生物の力で生まれる、日本の伝統発酵茶

ここでいう発酵茶は、上で書いた後発酵茶のことです。茶葉を微生物の力で発酵させて作ります。日本各地に独自の製法が残っています。

産地 茶の名前 特徴 記事
徳島県 阿波晩茶(阿波番茶) 乳酸発酵・カフェインが少ない 阿波晩茶とは
徳島県 阿波番茶の効果 期待できること・できないことを正直に 阿波番茶の効果
徳島県 阿波番茶の飲み方 ティーバッグ・茶葉の入れ方 阿波番茶の飲み方
徳島県 阿波番茶と下痢 飲む前に知っておくこと 阿波番茶で下痢になる?
高知県 碁石茶 二段階発酵・どこで買えるか 碁石茶はどこで買える?

※ 富山県のバタバタ茶、愛媛県の石鎚黒茶についても、今後取り上げていきます。


和紅茶とちがって、発酵茶は作り手そのものが数えられるほどしかいません。日本に伝わる後発酵茶は四つだけで、そのどれもが一度は消えかけたお茶です。ここでは、いま実際にたどり着ける場所を、お茶の種類ごとに並べます。数が少ないのは調べ足りないからではなく、これがほぼ全部だからです。

この一覧の作り方
各生産者・組合のサイトを実際に開いて、「いま販売しているか」「自分たちで作っているか」「どこにあるか」を確かめたものだけを載せています。サイトが閉じていた作り手は、名前が知られていても外しました。
調べた日:2026年8月26日/季節限定・予約制のものが多いお茶です。リンク先で最新をご確認ください。

阿波晩茶(徳島県)

夏の茶葉を煮て揉み、木桶に漬け込んで乳酸発酵させるお茶です。製造技術は令和3年(2021年)3月11日に国の重要無形民俗文化財に指定されています。作り手は上勝町と那賀町相生地区に集まっていて、桶ごと・農家ごとに味が変わるのがこのお茶の面白いところだと紹介されています。

まえばら農園|徳島県勝浦郡上勝町
茶葉を育てるところから発送まで自分たちの手で行う農園。栽培期間中は農薬・化学肥料を使わないとしています。販売は毎年9月ごろから始まり、その年の分がなくなり次第終了。

松岡さんちの阿波晩茶|徳島県勝浦郡上勝町 神田(かんだ)地区
生産から販売まで手がける直販の店。神田茶生産組合に所属。農薬・肥料は不使用とのことです。地元の「なっとく市場」「よってネ市」でも扱いがあります。

Kamikatsu-TeaMate|徳島県勝浦郡上勝町 正木
上勝町で阿波晩茶の製造と販売を行う作り手。やさしい酸味とすっきりした飲み口が特徴と紹介されています。

上勝阿波晩茶協会|徳島県勝浦郡上勝町(作り手の窓口)
上勝の阿波晩茶をまとめる協会。15の事業者が加盟し、うち8軒が生産者です(しのぶちゃんの晩茶屋/恵ちゃんのお茶/武市農園/針木商店/ファーム松下/髙木晩茶農園ほか)。自前の通販を持たず、電話でのやりとりだけという作り手も多いので、まずここから当たるのが確実です。

NAKATOWN(那賀町)|徳島県那賀郡那賀町 相生(あいおい)地区
上勝とならぶもうひとつの産地、相生の阿波晩茶。複数の農家が木桶で仕込んだものを扱っています。数量限定の予約制で、新茶は9月ごろの発送予定とされています。

碁石茶(高知県大豊町)

蒸した茶葉にカビを付け、そのあと木桶に漬け込む二度発酵のお茶です。四角く切って天日に干した姿が碁石に見えることから、この名前がついたとされます。製造技術は令和8年(2026年)3月24日に国の重要無形民俗文化財に指定されました。四国の発酵茶三つのなかで、いちばん新しい指定です。2018年の時点で、作っているのは個人4軒と1法人だけと報じられています。

大豊町碁石茶協同組合|高知県長岡郡大豊町
2010年発足。伝統製法を守る作り手が集まった組合で、「本場の本物」認定品。公式ネットショップから直接買えます。ティーバッグや碁石茶パウダーなどの形があり、平日7時〜17時の営業。

大豊町(町の特産紹介)|高知県長岡郡大豊町
町そのものが出している碁石茶の説明。産地の標高や気候など、どんな土地で作られているのかがわかります。旅の前に読んでおくと現地の見え方が変わります。

石鎚黒茶(愛媛県西条市)

石鎚山のふもと、西条市小松町に伝わる二段発酵のお茶です。1996年当時、作っていたのはたった1人でした。その最後の作り手から製法を習った地元の生活研究グループが受け継ぎ、いまに残しています。製造技術は令和5年(2023年)3月22日に国の重要無形民俗文化財に指定されました。

石鎚黒茶 さつき会|愛媛県西条市小松町北川
消えかけた石鎚黒茶を復活させた生産グループ。公式サイトのほか、オンラインショップで茶葉・ティーバッグなどを扱っています。3年熟成のものもあります。

JAタウン(愛媛・西条)|愛媛県西条市
さつき会の石鎚黒茶を扱う別ルート。公式ショップが品切れのときの回り道として。

バタバタ茶(富山県朝日町)

四国の三つとは系統が違い、こちらはカビ付けで作る黒茶、プーアル茶の仲間にあたります。富山県朝日町の蛭谷(びるだに)地区で、室町のころから飲まれてきたと伝えられます。茶筅を左右にバタバタと振って泡立てて飲むことから、この名前になったとされます。このお茶だけは「買う」より「行く」ほうが早いお茶です。

バタバタ茶伝承館|富山県下新川郡朝日町蛭谷484
地元の方が集まり、五郎八茶碗でバタバタ茶をいただける場所。体験は無料です。10時〜15時、火・木・日曜と冬季(12月下旬〜3月上旬)は休み。10名以上は予約が必要。電話・FAXは 0765-84-8870。

茶葉が買える場所|富山県内・東京
町内では「まめなけ市場」「らくち~の」、富山市では「とやマルシェ」「ととやま」「D&DEPARTMENT TOYAMA」、東京では「日本橋とやま館」「いきいき富山館」で扱いがあると案内されています。朝日町のふるさと納税の返礼品にもなっています。とやま観光ナビの紹介ページもあわせてどうぞ。

なぜ、これだけしかないのか

日本の後発酵茶は、この四つで全部です。緑茶や和紅茶のように何百軒もある世界ではありません。どれも山の中の集落で、家で飲むために作られてきたお茶で、売るために始まったものではないからです。石鎚黒茶が1人になり、碁石茶が5軒になったのは、その延長線上のできごとでした。

2018年3月8日、この四国の発酵茶づくりは国の「記録作成等の措置を講ずべき無形の民俗文化財」に選ばれ、その後、阿波晩茶・石鎚黒茶・碁石茶が順に重要無形民俗文化財へと指定されていきました。記録に残す段階から、守る段階に変わったということだと思います。

季節限定で、予約制で、その年の分がなくなれば終わり。不便なお茶ですが、だからこそ、いま作っている人から直接買う意味があります。

※文化財の指定年月日は文化庁「文化遺産オンライン」の記載によります。生産軒数は報道・自治体資料の記載を引用したもので、現在の軒数とは異なる場合があります。
※発酵茶そのものについては阿波晩茶とは碁石茶はどこで買える?バタバタ茶は「飲みに行く」お茶にまとめています。

🌿 健康茶|全国の薬草・野草茶まとめ

どくだみ・よもぎ・杜仲など、野草や豆、根を使ったお茶です。上で書いたとおり、チャノキの葉ではないものがほとんどで、そのぶんノンカフェインのものが多くなります。

お茶の種類 原料 よく語られること
どくだみ茶 ドクダミの葉(全国に自生) むくみ・肌の調子
よもぎ茶 ヨモギの葉(全国に自生) 冷え・鉄分
杜仲茶 トチュウの葉(中国原産・国内でも栽培) 血圧・体重
はとむぎ茶 ハトムギの実 肌の調子・むくみ
黒豆茶 黒大豆 ポリフェノール

「よく語られること」と書いたのは、言い伝えと、研究で確かめられたことが混ざっているからです。どこまでが確かめられているかは、各記事で分けて書いています。

日本の健康茶15種類まとめ


健康茶には、茶園がありません。桑の葉茶は桑、そば茶はそばの実、黒豆茶は黒大豆。チャノキではないので、育てているのはお茶屋ではなく農家です。そのぶん、探し方も変わります。

この一覧の基準
自分の畑で育てて、自分で加工して、自分で売っている作り手だけを載せました。原料を他所から仕入れて焙じて売っているお店は、品質が良くても外しています。
検索でよく上位に出てくるお店のなかには、「◯◯農園」と名乗りながら、原料を複数の県から仕入れているところがあります。名前では見分けられないので、1軒ずつ確かめました。
調べた日:2026年8月26日

桑の葉茶

かつて養蚕で栄えた土地に、桑畑が残っています。産地が固まっているぶん、作り手が見つけやすいお茶です。

桜江町桑茶生産組合|島根県江津市桜江町
1998年発足の生産組合。自分たちの桑畑で有機栽培し、産地直送で届けています。桑としては全国で初めて有機JAS認証を取得したと紹介されています。

南部桑研|青森県八戸市(工場は階上町)
自社の桑園で、農薬・化学肥料だけでなく除草剤も使わず、機械と手作業で管理しているとしています。2015年に建てた自社工場で加工まで手がける、栽培から販売までの一貫生産です。

桑郷(くわのさと)|山梨県市川三郷町
養蚕で栄えた町で、約45,000本の桑を無農薬で育てている農園。栽培から製造、販売まで自社で通しています。

そば茶

長命庵|北海道札幌市
韃靼(だったん)そばを完全自社栽培・自社製粉で手がける作り手。農薬・化学肥料を使わずに育てた地場の韃靼そばを使っているとしています。韃靼そばは、ふつうのそばより苦みの強い品種です。

イチカラ畑|新潟県小千谷市
遊休農地を耕し直すところから始めた農園。土づくり・種まき・収穫・製粉・製麺まで自分たちで行い、有機JAS認証を受けています。自社農園は魚沼や小千谷の標高300mほどの水はけのよい土地にあります。

黒豆茶

丹波篠山いのうえ黒豆農園|兵庫県丹波篠山市
丹波黒を自分の畑で育てている農家直営の農園。その黒大豆を使って、ティーバッグや煎り黒豆、黒豆麦茶などを自社で作っています。黒豆茶は産地ブランドがはっきりしているぶん、農家から直接買いやすいお茶です。

谷口農場|北海道旭川市
北海道の大粒黒大豆を自分の畑で育て、黒豆茶まで自社で作っている農場。丹波黒とは品種の系統が違うので、飲み比べると違いが分かるお茶です。

杜仲茶

河村農園|大分県佐伯市(農場は徳島県山間部と大分)
杜仲(トチュウ)を自社農園で有機栽培し、有機JAS認定工場で加工まで行っています。収穫後すぐに乾燥させ、遠赤で焙煎して仕上げるとしています。杜仲は葉を使うお茶で、梅雨明けから秋にかけて数度収穫されます。

Minowa Tea Garden|長野県
杜仲茶だけを手がける専門の農園。化学合成農薬・化学肥料を使わずに杜仲を育て、天日干しと焙煎まで自社で行っています。2026年4月に有機認証を取得したばかりです。

えんめい茶本舗(黒姫和漢薬研究所)|長野県上水内郡信濃町(農場は長野市内に4か所)
自社農場で杜仲葉を農薬・化学肥料を使わずに育て、採取から加工、製品になるまで自社で通しています。杜仲茶は長野に作り手が集まっているお茶です。

柿の葉茶

堀内果実園|奈良県五條市西河内町
吉野の山で6代続く果樹園。柿の葉茶のために専用の畑を作り、有機資材を使って育てた葉を、日本茶の製法で深蒸し・乾燥・焙煎して仕上げています。果物狩りのできる施設も併設されています。

柿茶本舗|香川県坂出市
1951年創業。四国山脈のふもと、香川と徳島の里山で柿の葉を自社栽培・採取しています。「絶対に農薬を使わない、化学肥料を使わない」を信念に掲げ、有機JAS認証を取得しています。

よもぎ茶・どくだみ茶

どちらも全国に自生する草なので、「産地」がはっきりしないお茶です。そのぶん、畑で育てている作り手は多くありません。今回たどり着けたのは1軒だけでした。

小川生薬|徳島県(自社農園は三好市)
大正14年創業。吉野川の流れる四国山系のふもとに自社農園を持ち、種子から最終商品まで自社で完結させるお茶づくりを掲げています。よもぎ茶・どくだみ茶のどちらも扱っています。

見つからなかったお茶

正直に書きます。次の二つは、農家が直接売っている先を確認できませんでした

ごぼう茶|農家直販は確認できず
ごぼうは洗って刻んで焙煎する工程が要るため、加工業者が間に入る構造になっています。検索上位に出てくるお店は、いずれも原料を産地から仕入れて加工しているところでした。

はとむぎ茶|産地は分かるが、農家直販は確認できず
富山県が栽培面積・生産量ともに全国一位で、その約8割がJAいなば管内とされています。ただし、育てた農家が自分で売っている先は見つかりませんでした。産地で探すなら、まず富山です。

こうして並べてみると、葉や実をそのまま乾かせるお茶ほど、作った人から直接買えることが分かります。桑の葉、そばの実、黒豆、柿の葉。逆に、根を掘って刻む必要のあるごぼうのようなお茶は、どうしても人の手が一つ増えます。

※各作り手のサイトに書かれている内容を要約したものです。栽培方法や認証の有無は、購入前にリンク先でご確認ください。
※健康茶そのものについては日本の健康茶15種類まとめにまとめています。効能について期待できること・できないことは、各記事で分けて書いています。

産地から探す

都道府県 代表的なお茶 種類
静岡県 静岡茶・静岡和紅茶 緑茶・和紅茶
京都府 宇治茶・宇治抹茶・京番茶 緑茶・抹茶
鹿児島県 知覧茶・屋久島茶 緑茶・和紅茶
三重県 伊勢茶 緑茶
徳島県 阿波晩茶(阿波番茶) 後発酵茶
高知県 碁石茶・土佐茶 後発酵茶・緑茶
富山県 黒茶(バタバタ茶) 後発酵茶
愛媛県 石鎚黒茶 後発酵茶
熊本県 くまもと和紅茶 和紅茶
宮崎県 宮崎和紅茶 和紅茶
埼玉県 狭山茶 緑茶
福岡県 八女茶 緑茶・玉露

全国の銘茶を一覧で見る|茶業団体がまとめた産地マップ

「日本のどこでお茶が作られているのか」をきちんと調べたいとき、当サイトが見ているのが、全国茶生産団体連合会が公開している「茶ガイド」の産地マップです。日本地図の上に、都府県ごとの銘茶の名前が並んでいます。

個人のまとめではなく茶業の団体そのものが出している一覧なので、名前の表記を確かめたいときにも使えます。以下は、その産地マップに載っている都府県と銘茶を、地方ごとに並べ直したものです。

東北

都府県 銘茶
岩手県 気仙茶
宮城県 桃生茶
秋田県 檜山茶

関東

都府県 銘茶
茨城県 奥久慈茶、さしま茶
栃木県 鹿沼茶
埼玉県 狭山茶
東京都 東京狭山茶
神奈川県 足柄茶

甲信越

都府県 銘茶
新潟県 村上茶
山梨県 南部茶
長野県 赤石茶

東海

都府県 銘茶
岐阜県 美濃茶、白川茶
静岡県 静岡茶
愛知県 西尾茶、しんしろ茶
三重県 伊勢茶

近畿

都府県 銘茶
滋賀県 近江茶
京都府 宇治茶
兵庫県 丹波茶、母子茶
奈良県 大和茶
和歌山県 紀州茶

中国

都府県 銘茶
岡山県 岡山茶
島根県 島根茶
山口県 山口茶

四国

都府県 銘茶
徳島県 阿波茶
香川県 香川茶
愛媛県 愛媛茶
高知県 土佐茶

九州・沖縄

都府県 銘茶
福岡県 八女茶
佐賀県 うれしの茶
長崎県 そのぎ茶
熊本県 くまもと茶
大分県 大分茶
宮崎県 みやざき茶
鹿児島県 かごしま茶
沖縄県 沖縄茶

出典:全国茶生産団体連合会「茶ガイド」産地マップ(https://www.zennoh.or.jp/bu/nousan/tea/dekiru02a.htm/2026年8月確認)。地方区分は当サイトで見やすいように並べ替えたものです。


この一覧を眺めて、気づくこと

1. 全部で35の都府県。思ったより広い

お茶といえば静岡と鹿児島、という印象があります。ところがこの一覧には35の都府県が並びます。沖縄から秋田・岩手まで、南北にずいぶん長く分布しています。

「うちの県にもお茶があったのか」と気づく方は多いと思います。地元の銘茶を知らないまま、遠くの有名なお茶を買っていた——ということは、案外あります。

2. 載っていない県にも、意味がある

逆に、この一覧に載っていない県があります。北海道、青森、山形、福島、群馬、千葉、富山、石川、福井、鳥取、広島、大阪などです。

ただし、これは「その土地にお茶がまったくない」という意味ではありません。この一覧は茶業として銘茶が立っている産地のまとめです。たとえば富山県には、この一覧には出てこないものの、集落の中で数百年続いてきたバタバタ茶が残っています。

統計や産地の一覧に出てこないお茶が、それでもその土地に生きている。日本のお茶を巡っていて面白いのは、こういうところです。

阿波晩茶とは|徳島の乳酸発酵茶を正直に解説する完全ガイド
碁石茶はどこで買える?通販・現地購入の方法をまとめて解説

3. 名前は「地名+茶」が基本。ただし例外もある

並べてみると、銘茶の名前はほとんどが地名+茶でできています。伊勢茶、近江茶、八女茶、土佐茶。土地の名前がそのままお茶の名前です。

面白いのは埼玉県の「狭山茶」と、東京都の「東京狭山茶」が別々に並んでいることです。狭山という地名は埼玉と東京にまたがっていて、それぞれの側で銘茶が立っています。

また、同じ県に二つ以上の銘茶がある場合もあります。茨城の奥久慈茶とさしま茶、愛知の西尾茶としんしろ茶、岐阜の美濃茶と白川茶、兵庫の丹波茶と母子茶。県の中でも土地ごとに別のお茶として立っているということです。

お茶の名前は、思っているよりずっと細かい単位で付いています。「静岡のお茶」とひとくくりにできないのは、そのためです。


もっと詳しく調べたいときは

茶ガイドには、産地マップのほかにも公開されている資料があります。当サイトが記事を書くときにも使っています。

  • 都府県の茶栽培面積。どこでどれだけ作られているかを数字で見られます
  • 都府県の茶産地と銘茶紀行。各産地の紹介です
  • 茶の種類(分類)/種類別の主な産地。上で書いた「不発酵茶・発酵茶・後発酵茶」の分類が、団体の言葉で説明されています
  • 地域団体商標登録。銘茶の名前がどう保護されているかが分かります

茶ガイド(全国茶生産団体連合会)
お茶の情報を自分で確かめるための公的サイト10選


産地のお茶は、どこで出会えるか

一覧を眺めていると、飲んでみたくなります。ただ、ここに並んでいるお茶は、近所のスーパーにはまず置いていません。特に後発酵茶は、作っている人の数がそもそも少ないお茶です。

現実的な出会い方は、だいたい次の四つに絞られます。

  • 産地の直売所・道の駅。いちばん確実で、いちばん安いことが多いです。旅の目的にしてしまうのが実は近道
  • 百貨店の物産展。県単位の催事に、その土地のお茶が出ることがあります
  • 生産者や地元組合の通販。少量生産のお茶ほど、ここが本命になります
  • 大手の通販モール。手軽ですが、少量生産のものは季節によって品切れます

「飲みたいと思ったときに、すぐには買えない」——これは不便ですが、そのお茶がまだ土地のものとして残っている証拠でもあります。


数字や根拠を、自分で確かめたい方へ

お茶の生産量や、成分の実数を自分で確かめたいときのために、当サイトが記事の裏づけに使っている公的サイトをまとめてあります。カフェイン量の数値は、すべて公的なデータベースから引いています。

お茶の情報を自分で確かめるための公的サイト10選


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