※本記事はアフィリエイト広告(楽天)を含みます。お茶は食品であって医薬品ではありません。体調や治療に関わることは、必ず医師・薬剤師にご相談ください。
「ほうじ茶の効能」で検索すると、脂肪燃焼、リラックス、デトックス、といった言葉がずらりと並びます。読んでいるうちに、なんだかすごい飲み物のように思えてきます。
でも実際に急須で淹れて飲んでみると、そこにあるのはただの、香ばしくてやさしいお茶です。派手な変化は何も起きません。それでも私はほうじ茶をよく飲みます。効くから飲んでいるのではなく、飲みやすくて、香りが好きだからです。
この記事では、ほうじ茶について期待できることと、期待しすぎないほうがいいことを、最初から分けて書きます。数字は日本食品標準成分表2020年版(八訂)の公開値と、公的機関・学術文献で確かめられたものだけを載せました。研究の段階にとどまっている話は、研究の段階だとはっきり書きます。
読み終えたときに、ほうじ茶への期待が少し下がって、そのぶん飲むのが少し楽しくなっていたら、この記事は成功です。
ほうじ茶とは何か(焙じると、何が変わるのか)
ほうじ茶は、まったく別の植物から作るお茶ではありません。原料は緑茶と同じ、チャの木の葉です。京都府茶業会議所は、ほうじ茶を「煎茶や番茶などを強い火で焙って製造したもの」と説明しています。(京都府茶業会議所「お茶の種類」)
つまり、ほうじ茶を分けているのは葉の種類ではなく、「焙じる」という最後の一工程だけです。同じ葉が、強い火にかけられて赤茶色に変わり、あの香ばしい匂いを持つようになる。ここがほうじ茶の話のすべての出発点になります。
焙じると増えるもの、減るもの
焙煎で何が起きているのか。増える側の主役は、香りです。日本農芸化学会誌に載った研究では、ほうじ茶の香気は糖とアミノ酸が高温で反応してできるピラジン類・ピロール類・フラン類などが主体で、これが「焙じ香」の正体だと報告されています。(「焙焼,釜炒り操作による茶香気の形成」日本農芸化学会誌 73巻9号) 焙じる前の茶葉には無かった香りが、加熱によって新しく生まれているわけです。
減る側についても、古い実験があります。農林水産省の茶業試験場が1981年に発表した「緑茶の化学成分の加熱による変化」では、荒茶を130℃と160℃で30分加熱したところ、アミノ酸類・ビタミンC・遊離還元糖の減少が著しかった、と報告されています。(日本食品工業学会誌 28巻2号 74-78)
同じ論文には、あとで効いてくる一文があります。全窒素とカフェインは「ほとんど減少しない」。この点は後半の「カフェインと副作用」でもう一度出てきます。
渋みが穏やかなのは、思い込みではない
ほうじ茶を飲んで「渋くない」と感じるのは、気のせいではありません。日本食品標準成分表2020年版(八訂)の数値を並べると、浸出液100gあたりのタンニン量はこうなっています。
- ほうじ茶 0.04g(食品番号16040)
- 番茶 0.03g(16039)
- せん茶 0.07g(16037)
- 紅茶 0.10g(16044)
- 玉露 0.23g(16034)
- コーヒー 0.25g(16045)
せん茶のおよそ6割、玉露の6分の1ほどです。(文部科学省 食品成分データベース) 苦みや渋みが穏やかで、食事中でも料理の邪魔をしない。ほうじ茶が食事に合わせるお茶として広く飲まれてきた理由は、たぶんこの一列に出ています。
日本のお茶にはこのほかにも、焙煎ではなく発酵で個性をつけたものがあります。全体像は日本の健康茶15種類まとめと日本のお茶産地マップにまとめました。
この「焙じる」という工程は、番茶との境目を分かりにくくしている原因でもあります。番茶とほうじ茶が別物ではないという話は、ほうじ茶と番茶の違いにまとめました。
ほうじ茶に期待できること
ここからが本題です。まず、根拠のある形で「期待できる」と言える範囲を書きます。
香りをかいだときの自律神経を測った研究がある(研究段階・飲んだ試験ではありません)
2025年2月、伊藤園が興味深い研究結果を発表しました。ほうじ茶の抽出液と、その主要な香り成分であるピラジン類3種(2-エチル-5(6)-メチルピラジン、2-エチル-3,5(6)-ジメチルピラジン、2,3,5-トリメチルピラジン)の香りを健康な成人20名にかいでもらい、自律神経と脳の活動を測ったものです。
結果は、交感神経の抑制と副交感神経の亢進が確認され、前頭前野の酸素化ヘモグロビン量が減少。あわせて緊張感・不安感のスコアが下がった、と報告されています。学術誌 Functional Foods in Health and Disease に掲載されました。(伊藤園ニュースリリース 2025年2月13日)
これは、ほうじ茶の香りについて実際に測った、貴重なデータだと思います。ただし、書き方には注意が必要です。この試験は香りをかいでもらったもので、飲用の試験ではありません。そして被験者20名の単一の研究です。「ほうじ茶を飲めば誰でも落ち着く」ことが確定したわけではなく、研究として報告されている段階、というのが正確なところです。
個人的な感想を足すなら、私は夜にほうじ茶を淹れると、湯気が上がってくる時間そのものが好きです。落ち着くのが成分のおかげなのか、湯を沸かして急須を出すという手順のおかげなのかは、正直わかりません。研究はそこを切り分けようとしているところなのだと思います。
水分をとる手段のひとつとして、無理がない
これは地味ですが、実用的には一番大きい話かもしれません。ほうじ茶は渋みが穏やかで、熱くても冷やしてもごくごく飲めます。食事に合わせても料理の味を邪魔しません。だから、量を飲めます。
「でもカフェインが入っていたら利尿作用で水分補給にならないのでは」という疑問はもっともです。ここについては、2016年にアメリカ臨床栄養学会誌に載った「飲料水分補給指数(beverage hydration index)」の研究があります。さまざまな飲料を飲んだあとの累積尿量を水と比べたもので、ホットティー、アイスティー、コーヒーはいずれも4時間後の尿量が水と有意差がなかったと報告されています。(Maughan RJ et al., Am J Clin Nutr. 2016;103(3):717-723)
ただしこれも正直に書いておくと、この研究はほうじ茶そのものを調べたものではありません。紅茶とコーヒーの結果からの類推です。それでも「お茶を飲むと逆に水分が減る」という不安については、少なくとも健康な成人で普通に飲む量なら、そこまで心配しなくてよさそうだ、という材料にはなります。
夜に選びやすい、という現実的な利点
ほうじ茶は玉露や紅茶、コーヒーに比べればカフェインが少なく、香りが穏やかです。夕食後にコーヒーは避けたいけれど白湯では味気ない、という時間帯に置ける選択肢がある、というのは地味に助かります。
ただし「少ない」であって「ゼロ」ではありません。ここは大事なので、後半のカフェインの章できちんと数字を出します。カフェインを完全に避けたい方は、ルイボスティーやそば茶のような、カフェインを含まないとされるお茶のほうが目的に合います。
期待しすぎないほうがいいこと
ここが、この記事で一番書きたかったところです。「ほうじ茶の効能」の検索結果で見かける話のうち、私が見たかぎり根拠が細いものを、正直に挙げます。
脂肪燃焼・ダイエット
「ほうじ茶で脂肪燃焼」という説明の元をたどると、たいてい茶カテキンの話に行き着きます。たしかに茶カテキンについては研究がありますが、そこで語られている量が問題です。
長寿科学振興財団の健康長寿ネットは、茶カテキンについて「有効濃度は1日540mg以上を毎日摂り続ける」ことが前提で、540mgは緑茶で湯呑10杯程度に相当すると説明しています。また、日本人の食事摂取基準にカテキンの摂取目標量は設定されていない、とも明記されています。(健康長寿ネット「カテキンの種類と効果と摂取量」)
これは、店頭で見かける「体脂肪が気になる方に」という表示のついた高濃度茶カテキン飲料が背負っている文脈です。ふつうに急須で淹れたほうじ茶は、その文脈の飲み物ではありません。参考までに、成分表のタンニン量ではほうじ茶はせん茶の6割ほどでした(ただし成分表のタンニンはカテキン類を含む指標であって、カテキン量そのものではありません)。
ですから、ほうじ茶を飲んで痩せる、脂肪が燃える、と考えるのはやめたほうがいいと思います。甘い飲み物をほうじ茶に置き換えれば、その分の糖質は減ります。減るのはそこであって、お茶が何かを燃やしてくれるわけではありません。
デトックス・体をきれいにする
「デトックス」という言葉について、私が調べた範囲では、公的に定まった定義や、何がどれだけ体外に出るのかを示す基準は見当たりませんでした。ほうじ茶に限らず、食品についてこの言葉が使われているときは、それは効能の説明ではなく雰囲気の説明だと思って読んだほうが安全だと思います。
病気に関すること
血圧、血糖値、コレステロール、がん。ほうじ茶の記事でこれらの言葉を見かけたら、いったん立ち止まってください。ほうじ茶は食品であって、医薬品ではありません。特定の病気を治したり、予防したり、数値を下げたりするものとして飲むべきものではないというのが、この記事の立場です。
治療中の方、薬を飲んでいる方は、飲み合わせも含めて主治医や薬剤師に確認するのが確実です。とくに鉄剤を服用している方は、お茶と一緒に飲んでよいかを一度たずねておくと安心だと思います(この点については見解が分かれており、私が断定して書ける段階にありません)。
「焙じるからカフェインが飛ぶ」
よく見かける説明ですが、根拠は薄いようです。前に触れた1981年の茶業試験場の実験では、130℃・160℃で30分加熱してもカフェインは「ほとんど減少しない」と報告されています。ただしこの実験は製茶の火入れ条件で行われたもので、市販のほうじ茶の焙煎条件をそのまま再現したものではありません。それでも「加熱すればカフェインは飛ぶ」という前提が自明ではないことは示しています。ほうじ茶のカフェインが穏やかな理由は、焙煎で飛ぶからというより、原料や淹れ方の側にあると考えるほうが筋が通りそうです。次の章で数字を見ます。
カフェインと副作用
実際の数字を並べてみる
日本食品標準成分表2020年版(八訂)の、浸出液100gあたりのカフェイン量です。
- 番茶 0.01g(=約10mg)
- ほうじ茶 0.02g(=約20mg)
- せん茶 0.02g(=約20mg)
- 紅茶 0.03g(=約30mg)
- コーヒー 0.06g(=約60mg)
- 玉露 0.16g(=約160mg)
ここで、正直に指摘しておきたいことがあります。成分表の数値上、ほうじ茶のカフェインはせん茶と同じ0.02gです。「ほうじ茶はカフェインが少ない」とよく言われますが、せん茶と比べて劇的に少ないわけではありません。少ないとはっきり言えるのは、玉露(8倍)やコーヒー(3倍)と比べたときです。
なお成分表には浸出の条件も書かれています。ほうじ茶は「茶15g/90℃の湯650mL/0.5分」、せん茶は「茶10g/90℃430mL/1分」。ほうじ茶は葉を多めに使いながら浸出時間が半分です。短時間で淹れる飲み方が前提になっている、というのは覚えておくと役に立ちます。
1日にどれくらいまでか
日本ではカフェインの一日摂取許容量(ADI)は設定されていません。農林水産省は、各国機関の見解として次の数字を紹介しています。(農林水産省「カフェインの過剰摂取について」)
- 健康な成人 1日400mgまで(欧州食品安全機関EFSA、カナダ保健省、米国FDA)
- 1回あたり 200mgまで(オーストラリア・ニュージーランド)
- 妊婦 1日200mgまで(EFSA)/1日300mgまで(カナダ保健省)
- 子ども 1日あたり体重1kgにつき3mgまで(EFSA)
湯呑み1杯を150mLとすると、ほうじ茶1杯のカフェインはおよそ30mg。単純に割れば、健康な成人の400mgは13杯ぶんほどになります。妊娠中の方でEFSAの200mgを目安にするなら6杯ほど。もちろん、コーヒーやチョコレート、エナジードリンクなど他のカフェイン源も合算して考える必要があります。
飲みすぎたときに起きること
農林水産省と厚生労働省は、カフェインの過剰摂取による健康影響として、めまい、心拍数の増加、興奮、不安、震え、不眠、下痢、吐き気などを挙げています。(厚生労働省「食品に含まれるカフェインの過剰摂取についてQ&A」)
感受性には個人差があります。同じ1杯で眠れなくなる人もいれば、何も感じない人もいます。夜に飲んで眠りが浅いと感じたら、量を減らすか、時間を早めるか、番茶やノンカフェインのお茶に替える。それだけの話です。数字は目安であって、自分の体のほうが優先です。
カフェインの実際の量、他のお茶やコーヒーとの比べ方、夜や妊娠中の目安については、ほうじ茶のカフェインは?ノンカフェインではありませんで数字を並べて書いています。
おいしい淹れ方
ほうじ茶の淹れ方に、国が定めた作法があるわけではありません。ただ、客観的な出発点として使える数字はあります。食品成分表がほうじ茶の浸出条件として採っている「茶15g/90℃の湯650mL/0.5分」です。1人分に直すと、茶葉およそ3gに湯130mL、待つのは30秒ほど。
お茶屋さんの中には、これより高い「熱湯」を勧めるところもあります。(煎茶堂東京のレシピ) 焙じ香は高い温度でよく立つから、というのが理由です。ここは商慣行としての推奨であって公的な基準ではありませんが、理屈は通っています。私の手元では、次の手順に落ち着きました。
- 茶葉は多めに。1人あたり3g前後(ティースプーン山盛り1杯くらい)
- 湯は沸かしたてを、冷まさずそのまま注ぐ
- 待つのは30秒。長く蒸らすほどおいしくなるお茶ではありません
- 最後の一滴まで注ぎきる。私の場合、急須に残すと二煎目が渋く感じました
- 二煎目は湯を注いですぐに出す
私が失敗しやすかったのは、煎茶と同じ感覚で「湯をぬるくして、じっくり待つ」やり方です。ほうじ茶でこれをやると、香りが立たないまま渋みだけが出て、ぼんやりした味になりました。ほうじ茶は熱く、短く。まずはここから試してみてください。
夏は水出しも気持ちのいい飲み方です。ティーバッグを冷水ポットに入れて冷蔵庫で数時間おくだけ。香ばしさは控えめになりますが、そのぶん角がとれて、麦茶のようにごくごく飲めます。
選び方とおすすめ
※以下のリンクは楽天のアフィリエイト広告です。特定の商品を推奨するものではなく、探しやすい入口としてまとめています。
まず決めるのは「茎か、葉か」
ほうじ茶選びで最初に決めておくとよいのは、原料が茎か葉かというところです。茎を焙じたものは棒茶(棒ほうじ茶)と呼ばれます。私が飲み比べた範囲では、茎のものは口当たりが軽くて甘い香りが立ち、葉のものは香ばしさとコクがはっきり出る、という違いがありました。どちらが上ということはなく、好みの問題だと思います。
加賀棒茶(茎を焙じた、香りの立つほうじ茶)
石川県の加賀棒茶は、お茶の木の上質な茎の部分を焙煎して作られます。農林水産省の「にっぽん伝統食図鑑」によれば、明治35年に金沢の茶商・林屋新兵衛が茎の有効利用方法を開発したのが始まりで、いまは石川県内全域で作られています。焙煎の香り成分であるピラジン類や花の香り成分が多く含まれる、とも説明されています。(農林水産省 にっぽん伝統食図鑑)
なかでも丸八製茶場の「献上加賀棒茶」は、昭和58年に昭和天皇が加賀に滞在された際に作られたものだと伝えられています(同社および石川県の観光公式サイトの説明によります)。同社の丸谷誠慶社長は取材記事の中で、鹿児島から届いた一番茶の茎を使っていること、焙煎は30秒から40秒ほどの浅煎りを重視していることを語っています。(和樂web 丸八製茶場インタビュー) ほうじ茶=香ばしくて濃い、というイメージを持っている方が飲むと、たぶん一度驚くタイプのお茶です。
茶葉タイプ(急須で淹れる方に)
香りをいちばん楽しめるのは、やはり茶葉を急須で淹れる形です。私の実感では、開封したときの匂いで当たり外れがだいたい見当がつきます。香ばしさが弱いと感じたものは、淹れてもやはり弱いままでした。少量パックで何種類か試して、自分の好みが浅煎り寄りか深煎り寄りかを見つけるのが近道だと思います。
お茶は一般に湿気・高温・移り香を避けて保存するものとされています(緑茶の包装にもたいてい「高温多湿を避け、移り香にご注意ください」と書かれています)。私自身も、大袋を安く買って香りが抜けてしまうより、100g前後をこまめに買うほうが満足度が高いと感じています。
ティーバッグ・水出し(毎日飲む方に)
続けて飲むなら、手間がかからないことが何より大事です。ティーバッグなら急須も茶こしも要らず、職場でも淹れられます。夏場は水出し用を冷水ポットに入れておけば、麦茶と同じ感覚で家族の飲み物になります。
最初の1袋は、香りの好みを確かめるための試験だと思って買うといいと思います。合わなければ次を替えればいいだけです。
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よくある質問
ほうじ茶はノンカフェインですか。
いいえ、カフェインは含まれます。日本食品標準成分表2020年版(八訂)では浸出液100gあたり0.02g(約20mg)で、これはせん茶と同じ値です。玉露(0.16g)やコーヒー(0.06g)より少ないのは確かですが、ゼロではありません。カフェインを完全に避けたい場合は、麦茶やそば茶、ルイボスティーなど、カフェインを含まないとされるお茶を選んでください。
妊娠中にほうじ茶を飲んでも大丈夫ですか。
安全かどうかを本記事が判断することはできません。判断材料として目安だけをお伝えします。妊婦のカフェイン摂取について、欧州食品安全機関(EFSA)は1日200mg、カナダ保健省は1日300mgという数字を示しています。ほうじ茶1杯(150mL)のカフェインはおよそ30mgなので、EFSAの目安なら計算上は6杯ぶんにあたります。ただしコーヒーやチョコレートなど他のカフェイン源も合算されますし、体調は人それぞれです。妊娠中の飲み物については、必ず主治医の指示に従ってください。
ほうじ茶を飲むと痩せますか。
ほうじ茶を飲むこと自体で体重が減ると考えるのは、おすすめしません。「脂肪燃焼」という説明の背景にある茶カテキンについて、健康長寿ネット(長寿科学振興財団)は1日540mg以上(緑茶で湯呑10杯程度に相当)を毎日摂り続けることを前提として説明しており、これは高濃度の茶カテキン飲料が想定している量です。日常的に飲むほうじ茶をこの文脈に当てはめるのは無理があります。甘い飲み物をほうじ茶に置き換えれば糖質の摂取は減りますが、それは置き換えの効果であって、お茶そのものの働きではありません。
ほうじ茶は1日何杯まで飲めますか。
公的に決められた上限はありません。カフェインの側から考えると、健康な成人の目安は1日400mg(欧州食品安全機関、カナダ保健省、米国FDA)で、ほうじ茶1杯150mLをおよそ30mgとすると13杯ほどにあたります。ただし他のカフェイン源との合計で考える必要があり、感受性にも個人差があります。眠れない、動悸がするなど気になる変化があれば、量や時間帯を見直してください。
ほうじ茶と番茶はどう違いますか。
ほうじ茶は、煎茶や番茶などを強い火で焙じて作ったお茶です。つまり番茶がほうじ茶の原料になることもあり、両者は並列というより工程の違いです。食品成分表の数値では、浸出液100gあたりのカフェインは番茶0.01g、ほうじ茶0.02g、タンニンは番茶0.03g、ほうじ茶0.04gとなっています。地域によっては焙じた番茶をそのまま番茶と呼ぶこともあり、呼び名は土地ごとにかなり違います。
おわりに
ほうじ茶について確かに言えるのは、渋みが穏やかで、量が飲めて、香りに関する研究がひとつ報告されている、というくらいのことです。派手ではありません。
でも、効くから飲むのではなく、おいしいから飲む。それで十分ではないかと思います。効能を探しに来た方には拍子抜けかもしれませんが、期待を正しい大きさに戻せたなら、たぶんそのほうが長く付き合えます。
今日は熱い湯で、30秒だけ待って淹れてみてください。私はその一杯が、いちばん好きです。
