碁石茶とは?高知県大豊町の幻の発酵茶・その味・効能・通販まとめ

正直に言うと、最初に碁石茶の名前を聞いたとき、囲碁の碁石と関係があるのかと思いました。

正解です。形が碁石に似ているからそう呼ばれます。でも、それよりずっと面白いのは「味」と「製法」の話で、こんな発酵茶が日本にあったのかと、知ったときは少し驚きました。

生産地は高知県大豊町のみです。生産農家は今や数軒しかありません。希少というより、もはや「消えかけている」お茶です。それでも、腸活ブームや発酵食品への関心が高まる中で、少しずつ注目を集めています。

この記事では、碁石茶の歴史・製法・味・効能・飲み方・通販情報まで、まとめてお伝えします。

目次

碁石茶とは|日本唯一の二段発酵茶

碁石茶は、高知県長岡郡大豊町で作られる後発酵茶です。

後発酵茶とは、茶葉を発酵させてから仕上げるお茶のことです。同じ仲間には、高知の「碁石茶」、徳島の「阿波晩茶」、富山の「バタバタ茶」などがありますが、碁石茶はその中でも特に製法が複雑で、二段発酵という独自の工程を経ます。

名前の由来

四角くブロック状に成形されたお茶の形が、囲碁の碁石に似ていることからこの名がついたと言われています。大きさはだいたい3〜4センチ角です。黒くて固いです。見た目だけでいえば、チョコレートかお菓子のようにも見えます。

ただし食べるものではありませんので、念のためです。

産地はたった一か所

碁石茶が作られるのは、高知県の山間部・大豊町だけです。

四国のほぼ中央に位置し、吉野川の源流に近いエリアです。標高が高く、霧が多いです。お茶の栽培に向いた気候ではあるのですが、アクセスが悪く、農家の高齢化が進んでいます。全盛期には数十軒あった生産農家が、現在は数軒にまで減っています。

幻と呼ばれる理由は、味だけでなくこの希少性にもあります。

碁石茶の歴史|千年以上続く発酵の技

碁石茶の歴史は古く、平安時代にさかのぼるという説もあります。確かなことは、江戸時代にはすでに四国の山里でこの製法が行われていたということです。

もともとは自家消費ではなく、瀬戸内地方や讃岐(現在の香川県)へ出荷される商品でした。酸っぱいお茶が好まれた地域があったのでしょう。また、乾燥しているため長期保存ができ、流通しやすかったという実用的な理由もあったようです。

一度は消えかけた

明治以降、緑茶の普及とともに碁石茶の需要は減っていきました。昭和の中ごろには生産農家が激減し、「幻の茶」と呼ばれるようになります。

それが再び注目を集めたのは、発酵食品ブームや健康志向の高まりによるものです。地元の生産者たちが製法を守り続けていたおかげで、今も飲めることに感謝しかありません。

ユネスコ無形文化遺産にも登録

2022年、「伝統的な茶産地の景観・知識・慣行」の一環として、碁石茶を含む日本の伝統的茶文化がユネスコ無形文化遺産に登録されました。世界に認められた、ということです。

碁石茶の製法|二段発酵という独特の工程

碁石茶が他のお茶と大きく違うのは、この製法にあります。

通常の緑茶は、摘んだ葉を蒸すか炒るかして酸化を止め、乾燥させます。発酵させません。

碁石茶は逆で、わざと発酵させます。しかも二回です。

第一段階:カビ発酵

摘んだ茶葉を蒸してから桶に積み重ね、むしろをかぶせて放置します。すると、茶葉の表面に白いカビが生えてきます。

これを「第一発酵」と呼びます。期間は約10日ほどです。

カビと聞くと不安になるかもしれませんが、ここで生える麹カビは食品製造に使われる菌と同じ種類です。味噌や日本酒に使う麹菌と近い仲間、と思えば少し安心できるかもしれません。

第二段階:乳酸発酵

カビ発酵が終わった茶葉を、今度は桶に漬け込んで重石を乗せます。水分が出てきて、乳酸発酵が始まります。

期間は約1ヶ月です。この段階で、碁石茶の独特の酸味が生まれます。

漬物と同じ発酵です。キムチや高菜漬けをイメージしてもらえれば近いです。お茶なのに漬物と同じ工程が入っているというのが、面白いところです。

仕上げ:天日干しとカット

発酵が終わった茶葉をむしろの上に広げ、天日干しします。乾燥したら、4〜5センチ角にカットして完成します。これが碁石のような四角い形になります。

碁石茶の味|酸っぱいお茶、というのが正直なところ

味の特徴を一言で言うと、「酸っぱいお茶」です。

苦味がほとんどなく、渋みも少ないです。その代わり、乳酸発酵由来の酸味がしっかりあります。飲み慣れるまでは少し独特に感じるかもしれません。

よく「梅干しのような酸味」と表現されます。それに近いと思います。甘みはほぼなく、後味がさっぱりしています。飲んだ後に喉が渇きません。むしろ、食欲が出てくる感じです。

緑茶が苦手な人にはむしろ向いています

緑茶の渋みが苦手という方には、碁石茶は意外と合うかもしれません。

渋みの原因はタンニン(カテキン)ですが、発酵の過程でカテキンが変化するため、碁石茶はタンニンが少ないです。渋みがなく、まろやかです。

ただし酸味は好みが分かれます。「発酵食品が好き」「ヨーグルトや酢が平気」という方なら問題ないと思います。

碁石茶の効能|腸活・血糖値・抗酸化

碁石茶が健康食品として注目される理由は、乳酸菌と発酵由来の成分にあります。

腸内環境の改善

二段発酵の過程で生きた乳酸菌が増えます。乳酸菌は腸内環境を整える働きがあるとされており、ヨーグルトや味噌と同じような効果が期待できます。

ただし、加熱すると乳酸菌は死んでしまいます。腸活目的で飲むなら、水出し(冷水抽出)がおすすめです。

血糖値の上昇を抑える

碁石茶に含まれる発酵由来のポリフェノールが、食後の血糖値上昇を緩やかにする可能性があるという研究があります。まだ研究段階なので過信は禁物ですが、食事と一緒に飲む習慣としては理にかなっているかもしれません。

抗酸化作用

発酵によって生成されるポリフェノール類には、抗酸化作用があるとされています。細胞の老化を抑える、酸化ストレスを軽減するという効果が期待されます。

※これらは健康維持のサポートとしての効果であり、病気の治療や予防を目的とするものではありません。体調に不安がある方は、医師に相談してください。個人差があります。

碁石茶の飲み方|3パターン

1. 煮出し(ホット)

鍋に水500mlと碁石茶1〜2片を入れ、弱火で5〜10分煮出します。酸味がしっかり出て、碁石茶本来の風味を楽しめます。冬場の温かい一杯におすすめです。色は薄い茶褐色で、透き通っています。

2. 水出し(コールド・乳酸菌を活かしたい場合)

水500mlに碁石茶1〜2片を入れ、冷蔵庫で一晩(8時間以上)置きます。乳酸菌が生きたまま飲めるため、腸活目的にはこちらがおすすめです。味はマイルドで、酸味も穏やかです。夏場にそのまま飲んでも美味しいです。

3. ほうじ茶風(焙じる)

フライパンで碁石茶を軽く炒ってから煮出すと、香ばしさが加わります。酸味が少し和らいで、飲みやすくなります。碁石茶初心者や、酸味が苦手な方にはこの飲み方がとっつきやすいかもしれません。

碁石茶の保存方法

直射日光を避け、常温で保存できます。密封容器に入れれば、数年は持ちます。発酵食品なので、多少の温度変化には強いです。開封後も湿気さえ避ければそれほど神経質にならなくていいです。

碁石茶はどこで買える?通販情報

大豊町の道の駅や地元スーパーでは売っているようですが、都市部のスーパーではまずお目にかかれません。一番手軽なのは通販です。

生産農家が少ないため、在庫がないこともあります。見つけたときに買っておく、というのが賢いかもしれません。

碁石茶を通販で購入する

生産量が少ないため、見つけたときに買っておくのがおすすめです。

楽天市場で碁石茶を見る →

まとめ|碁石茶は「知る人ぞ知る」日本のお茶

碁石茶は、飲みやすいお茶ではないかもしれません。緑茶のような清涼感もありませんし、ほうじ茶のような親しみやすさもありません。最初は「これがお茶?」と感じる人もいると思います。

でも、続けて飲んでいると、あの独特の酸味がクセになります。食事と合わせたとき、不思議と料理の邪魔をしません。そして、発酵食品としての効果を期待しながら飲む、という習慣としての価値があります。

日本に、こんなお茶があったのですね。

それを知るだけでも、碁石茶を飲む意味はあると思います。高知・大豊町を訪れる機会があれば、ぜひ現地で買ってみてください。生産農家が手作りする碁石茶を、その土地で飲む体験は、なかなか代えられないものがあります。

碁石茶を通販で購入する

生産量が少ないため、見つけたときに買っておくのがおすすめです。

目次